2026/06/22
【長く快適に住まうために】家づくりで後悔しない「シロアリ対策」と「構造選び」の基礎知識
マイホームを計画するとき、どうしても目が行きがちなのが「本体の建築価格」です。ですが、実際に暮らし始めてから発生する「維持・管理費」についても、初期費用と同じように見据えておく必要があります。

とりわけ、高温多湿な日本の住まいにおいて、建物の耐久性を大きく左右するのが「害虫(シロアリ)への備え」です。今回は、将来の負担を減らすために注目したい「部材」と「土台の仕組み」についてお伝えします。
目次
1. 柱の素材:虫が寄り付きやすい木と、寄せ付けない木
家を支える骨組みにどのような木材を選ぶかによって、シロアリに対する耐久力には大きな差が生まれます。
- 流通量が多くコストを抑えやすい部材(ホワイトウッド等) 手頃な価格で加工性に優れるため多くの住宅で採用されていますが、材質が柔らかく、シロアリの標的になりやすい面があります。このタイプの木材を取り入れる際は、定期的な薬剤散布などの防除措置をきっちり行うことが欠かせません。
- 優れた耐久性を持つ自然素材(ヒノキなど) 歴史的な建築物や神社仏閣でも重宝されてきた「桧(ひのき)」、とりわけ幹の中心にあたる「赤芯(あかしん)」の部位は、虫を忌避する特有の成分を持っています。そのため、シロアリによる食害を受けにくく、優れた強度を維持しやすいのが強みです。
目先の予算を優先してリーズナブルな素材を選ぶのも一つの方法ですが、数十年後のリスクを低減するためには、構造材の「性質」を見極めることが重要です。
2. 足回りの構造:床下からの侵入を「物理的」に遮断する
シロアリの多くは地中から床下へと這い上がってきます。そのため、建物の最下部である「基礎」の設計が防衛の要となります。
- 布基礎(ぬのきそ)による工法 地面が露出する箇所や継ぎ目が多くなる構造では、どうしても床下に湿気がこもりやすくなり、虫が這い上がるルートを与えてしまうリスクが高まります。
- 高気密な「ベタ基礎」による工法 底面全体を鉄筋コンクリートで覆い尽くし、さらに隙間を徹底的に塞ぐ「高気密な防蟻ベタ基礎」であれば、下からの侵入を物理的に長期間シャットアウトできます。湿気を遮断して床下をドライに保てるため、木材が傷む(腐る)原因を元から絶つことにもつながります。
3. 先々の修繕コストと「家族の健康」のバランス
一般的な害虫対策として「薬剤の散布」を行う場合、多くは5年前後のスパンで塗り替えや再施工が推奨されています。
維持管理にかかる生涯コスト 数年おきに数十万円規模の防除費用が発生し続けると、30年〜40年という長期スパンで見れば、かなりの出費増になります。加えて、定期的な薬剤の使用は、アレルギー体質の方や小さなお子様がいるご家庭にとって、室内空気の環境や健康面での不安要素になるケースもあります。
あらかじめ防虫性の高い「桧」を構造に使い、隙間のない「気密ベタ基礎」を採用しておくことは、将来的な修繕の手間やコストを浮かせ、さらに不要な化学物質の使用を減らして健やかな住環境を守るための有効な手段となります。
まとめ:建てるときの予算と、住んでからの費用の「トータル」を見据えて
家づくりの初期投資を低く抑える工夫は大切ですが、それによって入居後の修繕費が膨れ上がってしまっては本末転倒と言えます。
- 害虫を寄せ付けにくい、芯のしっかりした銘木を選ぶこと
- 床下からの侵入経路を隙間なく塞ぐ基礎工法を取り入れること
これらは、住宅の寿命をぐっと引き延ばし、生涯にかかるトータルコストを抑えるための賢明な選択です。 これからマイホームの計画を進める方は、ぜひ「30年、40年が経過したとき、どれだけ手がかからず安心して暮らせるか」という長い目線を持って、パートナーとなる施工会社を選んでみてください。











